「映っている」と「測定できている」は、まったく別の話です。

サーモグラフィ株式会社

サーモグラフィ株式会社

2026.6.2

「映っている」と「測定できている」は、まったく別の話です。

赤外線サーモグラフィ(サーモグラフィー)カメラを毎日扱うプロ達のコラム 其の八



「映っている」と「測定できている」は、まったく別の話です。

前回のコラムで、サーモグラフィーレンタルの機材を選ぶ際にマニュアルフォーカス機能の有無が重要だという話を書いたところ、思いのほか反響をいただきました。ありがとうございます。その中で一番多かったのが、「フォーカス機能以外に、機材の良し悪しを見分ける方法はないか」というご質問でした。
今回もそのご質問にお答えしながら、少しお付き合いいただければ幸いです。

テレビやCM・PV(プロモーションビデオ)の撮影現場でサーモグラフィレンタルやオペレーター派遣でお世話になる中で、プロのカメラマンや機材担当の方から話を聞く機会が多くあります。
その中で気づいたことがあります。プロが使うカメラと安価な簡易カメラの違いは、フォーカス機能だけではないということです。レンズ口径やフォーカス機構の違いが、撮影結果に大きく影響しています。
考えてみれば当たり前の話で、スマートフォンのカメラと、映画やCMで使われるシネマカメラのレンズを並べたとき、誰が見ても一目で違いが分かります。大型レンズは、より安定した情報取得や精密なフォーカスに有利で、肌の質感や細部の描写力にも大きく影響します。目元や表情へのピントの精度、暗い室内での安定感、背景の自然なボケ感——こういった要素のすべてが、レンズとフォーカスの性能に左右されます。プロが高性能なカメラを使うのは、「高価だから」ではなく、「レンズ性能とフォーカス性能によって取得できる情報量と表現力がまったく変わるから」です。

これは、サーモグラフィカメラでもまったく同じことが言えます。
小型・簡易タイプのサーモグラフィカメラは、固定フォーカスや簡易オートフォーカスが中心で、レンズも小型です。色のついた熱画像は出ます。それっぽく見えます。しかし、皮膚表面の微細な温度分布を正確に描写できているかというと、残念ながらそうではありません。条件によっては温度の境界がぼやけ、左右差や局所的な温度変化が分かりにくくなる場合があります。距離が少し変わっただけで測定が不安定になることもある。「映っている」と「測定できている」は、まったく別の話なのです。

一方、大口径レンズとリングフォーカスを搭載したサーモグラフィカメラは、顔や目元への正確なフォーカスが行いやすく、皮膚温度の境界も鮮明に描写しやすくなります。微細な温度差も判別しやすく、環境条件の影響も比較的受けにくくなります。映像制作の現場でプロが大型レンズとマニュアルフォーカスを使うのは、「綺麗に見せるため」だけではなく、「正確な情報を描写するため」です。サーモグラフィも、考え方はまったく同じです。

つまり、機材を見分けるポイントは二つです。マニュアルフォーカス機能があるかどうか、そしてレンズ口径やフォーカス機構がしっかりしているかどうか。この二点を確認するだけで、「本当に測定できる機材」と「映っているだけの機材」を区別する大きな手がかりになります。

「どうせ視聴者には分からない」「それっぽく見えればいい」という発想で選ばれた機材が、現場のクオリティを下げていく。前回も書きましたが、これは提供する側の責任でもあると改めて自戒しています。

だからこそ、サーモグラフィーレンタルをご検討の際は、機材の仕様だけでなく、赤外線そのものについて説明できる業者かどうかを確認してみてください。機材を貸し出すだけなら誰でもできますが、正しい使い方や測定結果の意味まで説明できるかどうかで、現場の精度はまったく変わってきます。

また独り言が長くなってしまいましたが、プロの現場に関わる者として、機材も知識も妥協しない。それが私どもの変わらぬ姿勢です。

感染症対策について

お客様に安心してレンタルいただくために、感染症の予防対策として殺菌・抗菌処理したサーモグラフィ(サーモグラフィー)カメラをお届けしております。

日本全国すぐに対応いたします。
プロが選ぶ機種選定と機種設定ではじめてでも安心です。

TV・CMなどの
映像制作最適
サーモグラフィカメラとは?

詳細はこちらをクリック!!

Copyright (c) 2021 Thermography Corporation. All Rights Reserved.