サーモグラフィ株式会社

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2026.9.1

温度と熱は同じではありません|サーモグラフィレンタル コラム

赤外線サーモグラフィカメラを毎日扱うプロ達のコラム 其の十一

サーモグラフィカメラで得られる熱画像は、あくまで「温度」を色として可視化したものです。しかし、温度と熱は、物理的にはまったく別の概念であることをご存知でしょうか。今回はこの基本的でありながら見落とされがちな違いについて、少し書いてみようと思います。

温度とは、物質を構成する分子や原子の運動の激しさを表す指標です。分子は、静止しているように見える物体の中でも常に運動しており、温度が高いほどこの運動は激しく、温度が低いほど穏やかになります。

サーモグラフィレンタル|分子運動と温度の関係を示す対比図 そして、この分子運動が理論上完全に停止する温度が「絶対零度」、すなわち-273.15℃、0K(ゼロケルビン)です。自然界にはこれより低い温度は存在せず、宇宙空間でさえこの温度には到達しないとされています。

サーモグラフィーレンタル|摂氏とケルビンの温度スケール比較図 一方、熱とは、この分子運動によって生じるエネルギーの総量を意味します。温度と熱の違いを実感しにくい方は、次のように考えてみてください。60℃のお湯がコップに1杯あるとします。これと同じ60℃のお湯をもう1杯用意して合わせても、温度は60℃のまま変わりません。しかし、そのお湯を沸かすために使ったエネルギー(熱量)は、当然2杯分になっています。

サーモグラフィレンタル|同じ温度でも熱量が異なることを示す比較図 つまり、温度は「量に関係なく、その物体がどれだけ熱いか・冷たいかを示す値」であるのに対し、熱は「量に比例して増減するエネルギーの総量」なのです。同じ温度の物体であっても、質量や体積が異なれば、内部に持つ熱量は異なります。この違いを理解しないまま熱画像だけを見て判断すると、測定対象の状態を正しく評価できない場合があります。

また、熱にはもう一つ重要な性質があります。それは「熱は必ず温度の高い場所から低い場所へ流れる」という原則です。この方向は逆転することがなく、対象物同士に温度差がなければ、熱の移動自体が発生しません。

サーモグラフィーレンタル|熱が高温から低温へ流れる方向を示す図 つまり、点検や測定を行う際の外気温と対象物の温度差、測定を行うタイミングによって、異常箇所が検出できるかどうかが大きく左右されるということです。

このように、サーモグラフィカメラで正確な測定結果を得るためには、カメラの性能だけでなく、温度と熱の違いや熱の流れの原則といった基礎知識に基づいた測定条件の設定が欠かせません。

サーモグラフィレンタル|温度と熱の違いのまとめ図(分子運動・絶対零度・熱量・熱の流れ) 私どもは、こうした熱の基礎原理を踏まえたうえで、お客様の測定内容に最適な機種選定と設定をご提案しております。サーモグラフィレンタルをご検討の際も、こうした基礎知識を踏まえたうえで、機種選定からご相談いただければと思います。


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